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「中国への戦争態勢」は誰のための何のためのものなのかー東アジアでの戦争を止めるためにー

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高井弘之 著
第四企画

目次

第一章 日米による「中国への戦争態勢」―敷設される「戦争への導火線」―

(1)沖縄から西日本・全国へと拡大する「軍事態勢―軍事拠点化」
(2)対中国「日米共同戦争計画」
(3)日米NATOによる「対中国軍事包囲網」の構築
(4)「台湾有事」とは何か

第二章 戦争態勢構築は誰のための何のためのものか

(1)アメリカの対中姿勢の転換
(2)「戦後の国際秩序」とは何か
(3)グローバルサウスの台頭と「欧米日」の後退
(4)「欧米の世界支配500年/日米欧の東アジア支配150年」の歴史的転換期
(5)誰のための何のための戦争か―西側・帝国主義国の「世界支配維持」への欲望―

第三章 「中国脅威論」とは何か―その克服・解体への視座―

(1)「中国脅威論」によって推進される大軍拡
(2)「専制 対 民主主義」の偽装で行なわれる「中国包囲網」
(3)「人権・人道」の名で行なわれる侵略戦争―「東西対立」終焉後の米・NATOの軍事侵略―
(4)「反中国」構築手段としての「人権・人道・民主主義」
(5)中国を「無法者」に仕立て上げる日米欧―南沙諸島問題から見えて来るその「からくり」―
(6)「米国の対中姿勢」と「中国の対米姿勢」―その顕著な違い―
(7)中国の「国際秩序―世界」への姿勢
(8)主観的「中国脅威論」を解体し〈平和と共生の東アジア〉を!

第四章 東アジアでの戦争を止めるために―〈平和と共生の東アジア〉に向けて―

(1)「植民地主義の克服・解体の道程」としての歴史的現在
―バンドン会議・非同盟運動・ブリックス その共通する視座―
(2)「大日本帝国150年」からの歴史的大転換を!
(3)「中国包囲網」から脱してアジアの平和の実現を!

戦後日本国家は、自らの侵略・植民地支配を深く反省することも、その侵略責任・支配責任を
 果たすこともないまま、いま、新たな戦争体制を構築し始めている。中国への攻撃態勢であるそれは、
 いまや、臨戦態勢の域にまで達している。

近代日本国家は、150年ほど前に東アジアに登場して以来、周辺諸国への軍事侵略―占領を次々と展開し、
膨大な数の人びとを殺戮―支配し、アジアの大国となっていった。

この長い期間、日本は、アジアの人々・国々に対する支配者・加害者として、独自に、あるいは欧米列強と
共に、東アジアを軍事的・経済的に侵略し、人びとの命と平和を奪って来た。
現在、進行している「中国への戦争態勢構築」は、この近代日本国家・大日本帝国の軌道の延長上にあるものだ。

昨年秋の「高市発言」は、米国と共にではなく、単独でも、中国との戦争を始めるという宣言の意味を持つ。
各世論調査では、その「高市発言」を撤回する必要がないという意見が7割近くに達している。

かつて、日本が中国への侵略・支配を拡大していったとき(1937年)、日本の政府・メディアは、「暴支膺懲」
(暴虐な中国を懲らしめる)のスローガンを発し続けた。中国側の当然の抵抗行為を「暴虐・横暴」とし、
だから、「膺懲」するのだとして、自らの行為を正当化し、国民の戦意を煽った。

そして、多くの国民が、このスローガンとそれに基づく軍事行動を支持し、侵略への挙国一致体制がつくら
れていった。この「日本政府と日本国民」だけの閉じられた空間には、問題の――現実の根本にある自らの
侵略行為への視線は、存在していなかった。

いま日本では、中国への敵対意識を煽る発言ばかりが溢れ、なぜ中国が「高市発言」に強く抗議しているのかを、
中国の立場に立って知ろうとする姿勢は、ほぼ、存在していない。問題の発端―起点がこの「発言」にあること
さえ忘れられ、対中「挙国一致体制」の完成へと走っているようだ。

世界への窓を閉じた偏狭な「日本空間」の中で、独りよがりの「自己正当化」の主張だけが声高に発せられて
いる状況に、いま、日本社会はここまで来ているのかと暗澹とし、恐怖さえ覚える。
しかし、手をこまねいているわけにはいかない。この状況とそのさらなる進展を私たちは止めなければならない。
 そうしなければ、私たちは再び、中国―アジアの人びとに対する加害者となり、ここ東アジアに住む私たちの
 暮らしも命も失われる。

私たちは、近代日本150年の歴史を内省的に総括し、「対中戦争準備」を阻止し、今度こそ、日本を、東アジアの
平和を実現する側の国へと変えなければならない。

いまのこの状況に抗い、戦争を止めたいと願っている方に、そして、そのための活動をしている方がたに、
この小著が少しでも役立つことを願う。

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